動く標的

ハードボイルド作品ってどうも入り込みにくくて遠ざけてきたのだけど、小林信彦氏のコラムにポール・ニューマンの演技の光る作品としてこの映画が紹介されていてみてみた。中年過ぎてから見ると、ハードボイルドな環境に甘んじている主人公の自嘲のようなものに共感を覚えて楽しめた。ポール・ニューマン演じる私立探偵ハーパーの姿を描くことに集中しているものだから、犯人の動機周辺の話はさっさと片付いていて、今までハード・ボイルドが苦手だったひとつの理由がそこにあると気がついたのだけど、ポール・ニューマンのどこかキメっぱなしではやってられないという崩した姿が好きだから楽しめた。
66年作品で、ポール・ニューマンの住まいや、車etcにミッド・センチュリー・モダンなものがあふれていてそこも堪能した。音楽の使い方や人物の撮り方は「刑事コロンボ」を思い出すようなところもある。


動く標的 [VHS]

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