フランスの名優たちが突然口パクで名だたるシャンソンや名画の一節を歌う。これに影響されてウディ・アレンは自分の方がうまく撮れるとミュージカル仕立ての「世界中がアイ・ラヴ・ユー」を撮ったか?と思いきや、こちらの方が後。ローテクで貼り合わせな感じなんだけど堂々としていて、こういうものかと楽しんでしまう。
シリアスなものを撮っているイメージのアラン・レネ、「お家に帰りたい」*1もつぎはぎアニメを導入した実写作品だったな。このぎくしゃく感がアラン・レネの真骨頂と評している人もいる。「お家に帰りたい」を観た時のメモを見ると、ウディ・アレンにも言及しているらしい。やはり「世界中が~」を観てのこちらの製作?
繰り広げられる容赦なき個の強きフランス的世界。その向こうに灯る気弱が嬉しい。
ジャン=ピエール・バクリが出てくると安心感がある。
「みんな誰かの愛しい人」*2や「ムッシュ・カステラの恋」で馴染みの顔になったのだけど、大好きなサッカーをする犬の映画「ディディエ」にも出ておられたんだな。困ったよーという感じがとってもうまい役者さん。