タワーリング・インフェルノ

 

 

公開当時とても話題になり超有名すぎるこの作品、自分は千日前デパートやホテル・ニュー・ジャパンの火災の様子がショッキングすぎこの映画も自分の胆力で観る自信がなく避けて通ってきた。しかしここにきてwowowプラスの「死ぬまでに観たい映画1001本」に挙げられていたり、ポール・ニューマンフレッド・アステアの仕事を追っかけていると避けて通れないなと思い始め今更の初見。

評判がいいのが凄くわかる。パニック映画であり、充分ハラハラさせられ、何度も声を出しながら観てしまうほど入り込んだが、それだけじゃないから面白い。ひとつのプロジェクトを仕上げる時のそこに関わる人のスタンスの違い、それが致命傷にもなりかねないこと、ギリギリの場面ゆえ危機に瀕してどういう行動をとっていくかというまさに人間性が取り繕うことなく現れてその描写が秀逸。巨大ビル竣工パーティーの場に集まった大勢の人のドラマをとっ散らかることなく描いていく確かな技量。

ポール・ニューマンがちょっと世捨て人的心性は持ちつつもやらなきゃいけないときはやりますよという冷静で好ましい建築家を好演。身体能力もすごい。消防隊長役のマックイーンはオハラハンというアイルランド風の姓。アメリカ在住の友人に消防にはアイルランド系多いときいたことを思い出す。とにかく臨機応変の連続。現場で使える人間は誰だ?と見抜く視線も面白い。

貸衣装のタキシードを借りなきゃいけないほど落ちぶれている役のアステアがもう最高!アステアといえばタキシード、それが貸衣装、そして。。という展開。アステア自身の華々しい過去がこの役のコクになっていてなんともいえぬ魅力。

麗麗しいガラスの塔の展望ホールでのこの大惨事。平家物語的なものも感じた。

1929年製の酒を持って避難しようとするバーテン。禁酒法時代のものなんだろうな。

 

※感想を求めて逍遥していたら消防隊長マックイーン視線で書かれたブログ発見。面白かった!ブログ主のお名前もオハラハンさん・・筋金入りの方だ・・。