暴力の街 - 日常整理日誌

独立プロ名画特選暴力の街 [DVD]

発売日: 2013/11/23
メディア: DVD

観たのはVHS版。

この映画は現実に旧本庄町（現・本庄市）で起きた暴力の支配による闇商売と警察の癒着、それを新聞が取り上げ市民運動となった経緯をもとに映画の中では東条市と名前を変えてあるものの、現地で当事者もたくさん交えながら撮影したものらしい。

↓こちらのコラムが詳しい。

www.eiganokuni.com

現実との距離が近いせいか、同じ山本薩男監督の「にっぽん泥棒物語」*1みたいなユーモアの要素が少なく、至極まじめに撮られていて、ドラマ的な楽しみというのは少なかった。

何度か出てくる旧本庄警察署の建物はとても眼を惹く。

www.city.honjo.lg.jp

この映画を観たきっかけは、濱田研吾氏の「俳優と戦争と活字と」という本を読んでいて、佐々木孝丸氏の項にこの映画での迫力が書かれていたからだった。佐々木氏、よくtwitterで邦画好きの人たちによって名前が出てくるのだが、私は今までこの方、と存じ上げてなかった。「インターナショナル」の訳詞者でもあり、千秋実氏の奥様のお父様にあたる方で千秋実氏が奥様と薔薇座という劇団を立ち上げた時など演出などで協力されたこともあるという。確かにこの映画でも存在感があった。

あと三島雅夫氏が、和服の似合う旧弊な人間を好演している。酷いことをしておいて、酒の上のことだと急にごまかすところなど、よく見かけるタイプである。