旗本退屈男 江戸城罷り通る

 橋本治さんの「完本チャンバラ時代劇講座」で名前だけはきいていた「旗本退屈男」が論じられていて、映画の方もひとつみてみようと「旗本退屈男 江戸城罷り通る」を借りてみた。

完本チャンバラ時代劇講座

完本チャンバラ時代劇講座

 

 ↑まさにこの橋本さんの自作セーターのようないでたち。

退屈男の妹役が岸恵子氏。岸さん、現代劇のイメージがあるけれど、先日観た「鞍馬天狗 鞍馬の火祭り*1でも娘役で出ておられたり、時代劇娘役時代があったんだな。可憐。

退屈男の手足となって働く小姓の京彌という役が宮城千賀子氏。女性が男性を演じ途中で女装するという設定。こういうよじれた設定(宝塚とか手塚治虫作品とか)、なぜか心を惹きつけるものがある。ほんとに若き男性の女装風で。

市川右太衛門氏が立ち回りの中でキマッた顔をするとき、息子の北大路欣也氏と似ていると感じた。

敵役は天一坊事件風(ご落胤問題)の浄海坊という男だが、高田浩吉が演じていて、歌舞伎風みたいな色気があった。天一坊風の話は、コクーン歌舞伎の「天日坊」*2をみていたので、あの舞台と増幅して楽しめた。

退屈男ってこんな設定なのか?と思ったのが、犬でも猫でも鶏でもなんでも拾ってきて屋敷がエミール・クストリッツァ監督作品みたいな状況になっているところ。それに難儀しているじいやの堺駿二氏とても好ましかった。ちょっと枯れた感じが良かったのかな。これまたどうかしたときの様子は息子の堺正章氏に受け継がれてるなと感じた。

旗本退屈男・江戸城罷り通る [VHS]

旗本退屈男・江戸城罷り通る [VHS]

  • 発売日: 1994/04/20
  • メディア: VHS