この三人

 

ハリウッド・メロドラマ傑作選 この三人 [DVD]

ハリウッド・メロドラマ傑作選 この三人 [DVD]

  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: DVD
 

ローマの休日*1からの流れでウィリアム・ワイラー監督作品を。

ふや町映画タウンのおすすめリストで最高の★★★(むっちゃ、おすすめ!!!!)となっているこの作品、タイトルと軽快なスタートで手塚治虫の「ワンダー3」的なものを想像していたが*2、少し違って苦みのある大人のドラマ。でも骨格がしっかりしており、ヒール役も徹底していてこの話はどうなるの?と目が離せないし退屈させない。

教職課程を終了し就職口のない二人の女性が片方の女性に唯一遺された財産である田舎のボロ家を改造、そこで寄宿舎付きの学校を開くストーリー。そこに男性医師一人が加わっての三人。先ほどヒール役と書いたのは二人の学校に来る問題児。そしてもう一つの頭痛の種が中途半端な女優をしているおば。いつまでも幼児的な精神の持ち主でこの人がまた厄介。でも勘だけは鋭くそれがかえってことを多重骨折させたりこの人の動きがキーになって次に進んだり。この感じ、私の身近でも体験したことがあり、ものすごくわかってしまった。

「我等の生涯の最良の年」*3でも厳しい現実をきっちり描いて、だからこそ観ている人が重荷を背負いながら生きていくのをおためごかしでなく応援してくれている感があったワイラー監督、この作品も安直なまとめ方でなく、主人公たちが自分の力で、自分が成長することによってたどり着く境地を描いていてとても好ましい。「ローマの休日」でもそれを感じたな。

*1:名作ウィーク - 日常整理日誌

*2:「ワンダー3」も絵柄を知ってるだけでちゃんと見たわけではないのだけど。。

*3:我等の生涯の最良の年 - 日常整理日誌