野菊の墓

 

 聖子ちゃんバージョンの「野菊の墓」、ふや町映画タウンで、☆☆☆(これが、かなり、おすすめ)となっていて気になっていた。木下恵介監督の「野菊の如き君なりき」*1と見比べたい気持ちもあってみてみた。

「野菊の如き~」の方では、年上とかいとこ同士とかいう理由があれど、民さんと政夫さんが一緒になれない理由はもうひとつはっきりしなかったのだけど、(皆がラスト悲しんでいるところをみていると、結婚できない理由が根深い感じがしなかった。)こちらのほうでは、民さんの義理のお母さんのえげつなさなども描写されており、積極的に政夫の家ではあちらと縁組みさせたくなかったのかなという推測もできた。

50過ぎてからの鑑賞のせいか、政夫の母役の加藤治子に目が行く。着物もシックだけど上質で、大店の奥様という感じがとてもする。

下版では笠智衆が年がいってからの政夫を演じていて、川辺で昔を思い出すストーリーもふんわりと丸く政夫の頭の中として表現されていて、その辺の演出は木下版が好きだった。でも、こちらもリアリティがあったし現代人(といっても80年代の映画だが)にこのストーリーを説明するのにわかりやすく作られているように思った。たとえば政夫のことが好きだった女中樹木希林に大店のやり方を批判させたり・・

綿つみに行くシーンの山が信州の山のようだと思ったら、wikipedeiaによると松本ロケだったよう。

松田聖子のおでこ出し珍しいなと思ったがこれもまたwikipedeiaによると監督の強い意向だったよう。

ごぜさんのシーンも印象的だったけれど、木下監督版をみたときの自分の感想をみているとあちらでもごぜさんのシーン印象的だったよう。きっと原作にちゃんと出てきているのだろうな・・

野菊の墓 [DVD]

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