人形浄瑠璃文楽 平成28年 錦秋文楽公演

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普段演目の中にとっつきやすい世話物が入っているとリラックスしたりする方なのだけど、今回は、オーソドックスな松羽目もの「勧進帳」がものすごくすばらしくて感動した。舞台も音楽も能のような感じなのだけど、もうシャープでなんとかっこいいこと!少し前に町田康氏の「ギケイキ」*1を読んでいたこともあり、弁慶にも、伊勢三郎などにも親しみが持てていたし、弁慶の人形、頭、左、足の三人とも顔を出して演じておられるのも新鮮で臨場感があり胸に迫った。また会場全体が感動しているのがとてもわかり、それでまた気持ちが盛り上がる・・先日も大相撲の京都場所で、休場していた白鵬の来場に体育館中がどよめきたち、土俵入りに祈りにも似たような感覚をおぼえたのだけど、つくづくだしものというのは場がつくるものという感じがするなあ。
また「艶容女舞衣」の有名な酒屋の段、鶴澤寛治師匠、粋な感じがしてお姿をあおぐだけでもなんだかうれしい気持ちになるのだけど、酒屋の近隣からきこえてくる音色など細やかな表現の変化をたのしむことができ、それを味わえたことがうれしかった。

第一部の「恋娘昔八丈」。どうも「髪結新三」の話(「梅雨小袖昔八丈」)とつながりがあるような気がしてならなかったが、やはりもとになった事件が白子屋お熊事件という同じ事件だった。刑場にひかれていくところにすごいエロスを感じた。