愛の奴隷

同名タイトルの1994年の

愛の奴隷 [DVD]

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こちらが、「サンチャゴに雨が降る」*1以来ちょっと追っかけているチリ・クーデターに関する映画で、こちらを借りようとして、

1976年のニキータ・ミハルコフ監督の「愛の奴隷」の方を借りてしまったのだけど、出会えてとてもよかった。

愛の奴隷 [DVD]

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みたのはvhsだけど、この霧の中を走る電車のシーンが印象的なもので、dvd版の方を貼っておく。
ロシア革命騒ぎの最中、黒海沿岸の田舎町でサイレントのメロドラマ「愛の奴隷」の撮影をしているクルー。政治からは一定の距離を保ち続けている彼らにも憲兵はいつも目を光らせており・・というストーリー。映画クルーの連中は基本ノンポリで波風たてずにいきたいわけで、家族もいる中そういう風に生きていきたいのは当たり前なのだけど、ほんとにお気楽な女優が、はじめはミーハーな、遊びのような、穴埋めのような恋愛ゴッコから、生と死に向き合うことになる。最初は撮影がうまくいかないドタバタなどで笑わせておきながら、そんな毎日にも深淵がやってくるのだよ、さて、みているあなたは?とじんわりと問いかけてくれる映画。なにか独特の情感があって、わけもなく「黒い瞳」を思い出したりしていたのだけど、監督同じ方だったんだ・・変則的な形からではあったけれど、この映画との出会いが本当にうれしい。