逆転無罪

またしても*1、もうひとつな邦題。原題は「Prisoners of Honor」。1890年代フランスに起きたドレフュス事件を通して組織をただ守ることと、その組織を愛して真の組織人としての誇りを持って生きることの違いを描いたもの。ケン・ラッセルにしては、けれん味が少ないようにも思ったけれど、このような自分の信じるものに奉じる生き方、そのための反骨精神を描きたいのが本来のケン・ラッセルの映画の趣旨であり、気持ちであり、けれん味はそれを表現するひとつの形でしかないのかもしれないなと思う。
とはいえ、その時の民衆の気持ちを表現するために使われているレビューのシーンの凝り様はケン・ラッセルらしい楽しさに満ちていた。
エミール・ゾラが出てくるのだけど、これに出てくるエミール・ゾラは、wikipediaの写真と似た空気が漂っている。

逆転無罪 [VHS]

逆転無罪 [VHS]

  • 発売日: 1994/04/22
  • メディア: VHS

*1:「激突・カージャック」http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20150712/1436663845 に引き続き