なのな フォト ゴロー

猫タグはつけたし、猫は出てくるけれど、猫が媒介となって格差社会の中でもやもやしつつもなんとか生活している人間が主人公で、だからといって絵柄から推測されるとは思うけれど、しんどいものではなく、でもただのほんわかしたものではなく、毒を知っているからその治療法も知っているという森下裕美さんならではの世界がすばらしい。気遣いすぎて人づきあいが不器用で、でも基本すごくまともなゴローの独白、えらく共感をおぼえる。ゴローや勤務先の人たちの造形をみていると、秋葉原の通り魔事件のような悲しい出来事の出口がみえるような気もする。