中原淳一の展覧会(西宮 大谷美術館)

初期の展示品で、着物を着た女性の絵画、着物の部分は布を工夫してはったりして、大変中原らしいのだけど、表情、雰囲気などがすごく竹久夢二の女の人に似ているものがあった。淳一は「昭和の夢二」などとも称されていたらしく、ご存じの方には当たり前のことかもしれないけれど、あの大きな瞳のAラインの女の子たちのイメージの中原、かたやなで肩で大正ロマン風の和服美少女の夢二、女の子を叙情的に描くということでは重なっていても、初期に中原があんなに夢二そっくりの作品を残しているとは!という驚きがあった。

解説によると中原は、夢二の模写を何枚も何枚もして腕を磨いたとか。。最近、まずは立派な物にふれ、それの模倣から、その後独創性は自然と生まれるというような教育論も耳にしますが、それは一理、いやそれ以上あるのではないかなぁ。。とにかく、中原の展覧会でも初期の絵画作品や人形が公開されることは珍しいようで、一見の価値有りだと思った。

もうひとつ展示物の中で心ひかれたのは玉川学園の生徒たちの演劇をプロデュースした時の衣装のメモなど。学校演劇のおてつだいという枠を越えた立派な仕事ぶりにうたれるものがあったし、その時は斬新な衣装にとまどった生徒もいるかもしれないけれど、生徒さんにとってすごい贈り物というか、一流のものにふれる経験って大なり小なりその後の人生にいろいろな影響を与えるのではないのかなぁ。。文化って結局すばらしいものをみて いいと思ったその感動がそれを土台に次のあたらしいものをつくる担い手を生むのだろうし。。などと思いをはせる。

大谷美術館の庭にはキュートな岡本太郎氏の作品はじめいろいろな銅像が。庭園もなかなかいい。