ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ

 

ローゼンクランツとギルデンスターン、ハムレットの中に出てくるハムレットの友人らしい。この映画は二人に扮するゲイリー・オールドマンティム・ロスが「ハムレット」演劇の中にいきなり紛れ込んでしまって、わからないままに死に直面するような筋だがその姿は自分にもあてはまっているよなあと感じた。ゲイリー・オールドマンが珍しくちょっと抜けたような役を演じているがなかなかぴったりで善良そうにみえる。そして、二人の対比がおもしろい。ギルデンスターンは実際的、ローゼンクランツはなにかに夢中になって目の前の判断ができなくなってしまうようなタイプだが、哲学的な深淵に直面したときローゼンクランツのほうが向き合えている感じだったりする。実際の「ハムレット」の中での彼らの姿を確認したくなる作品。二人が遭遇する演劇集団の、仮面劇や人形劇の趣向が面白かった。