2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

四畳半襖の裏張り

昭和48年神代辰巳監督作品。キネマ旬報ベスト・テン第六位。神代監督の作品をみていると、人間ってしょうがないもんだよな、という、決して上からではないけれど、なにか作品自体から自嘲ともなんともつかないものが漂っているのを感じる。決しておとしめる…

お国と五平

yahoo 映画 昭和27年成瀬巳喜男監督作品。成瀬巳喜男監督の全作品が載っている「映畫読本 成瀬巳喜男」での扱いはあまりよくないが、わたしにはみるなり、さすが成瀬監督、端々まで神経の通ったなんと素晴らしい作品、という気持ちになった。 森雅之が、尺…

森浦への道

1975年イ・マニ監督作品。 ふや町映画タウンの監督一覧をみていると、店主大森さんのふるいにかかった映画だけでも世の中にはまだまだ私の知らない監督や作品があるんだなあと感じさせられる。 この映画も、監督一覧でみつけて、どんな映画か検索したら好み…

鏡山競艶録

all cinema 1938年寿々喜多呂九平監督 しょっぱな日の丸と「国民精神総動員」の文字にものすごく時代を感じる。「この世界の片隅に」*1の時代だなあ。「鏡山旧錦絵」という歌舞伎作品(通称「鏡山」)を映画化したものということ。 そして「鏡山旧錦絵」は、…

実を申せば

wowowの紹介ページはこちら マキノノゾミが2003年に作と演出を手掛けたシアターナインス第5回公演。九代目松本幸四郎(現・白鸚)と杉浦直樹が、昔鳴らした伝説の詐欺師コンビ役で初競演した。笑いと感動の末に、観客を幸せな気持ちにさせた噂の舞台。 シア…

うつヌケ

うつになった人本人からの、なったとき、抜けた時の聞き取りで、そういう感じなんだという発見がある。そして今後のヒントもある。うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち作者: 田中圭一出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2017/01/19メディア: 単行本この商品…

古都

山口百恵主演の市川崑監督版。(1980年) 市川監督の風景の中の人間のショットは美しいと思う。町家などの前に町家のアクセントとして佇む人の姿。町家の中でも住まいに高いポイントが置かれているように思うしその撮り方は魅力的。 山口百恵はとても美しく、…

直撃!地獄拳

昭和49年 石井輝男監督作品。 「ドラゴン怒りの鉄拳」での日本人の立ち位置のようなものを、ここに出てくる西洋人たちに感じた。 白いスーツの千葉真一氏は「キーハンター」っぽい。善玉の象徴としてのあの衣装かな?(歌舞伎の白塗りのように)千葉さんの…

マル秘女郎市場

1972年曽根中生監督作品。 これは・・ロマンポルノ版「道」だろうか?荒唐無稽な展開だけに「道」のファンに怒られてしまいそうだけど・・女性の浪曲がテンポがよくてとてもよかったのだが、DVD版のamazonレビューによると荒木一郎のヤング浪曲シリーズ(1971…

スケッチ・オブ・Peking

19995年 「北京好日」*1のニン・イン監督作品。 北京の警官の日常を警官自身が演じる。演技のプロでない人たちによる演技というこういう手法のもの最近よくみて、役者さんでない不思議なリアリティがあるなあと思っているけれど、この当時から行われていたん…

ブッチャー・ボーイ

1997年ニール・ジョーダン監督作品。出会えてよかった。 この作品と「スターダスト」のDVD化希望をされているtweetを拝見したのがみたきっかけ。「スターダスト」の方も好印象を持っているが、みたときの自分の記録*1をみてみると、 ストーリーにぐっと人を…

濡れた欲情 ひらけ!チューリップ

間寛平のヒット曲「ひらけ!チューリップ」が流行ったころ、この神代作品とのつながりからか、子どもが歌っていいんかな?と思うようなどこか後ろめたい感じがしたような・・この映画は、パチプロ師と釘師の対峙する青春ものをロマンポルノの中で描いた感じ…

なつかしい芸人たち

図書館で借りていて、一部読み切れないまま返却期限が来てしまったが、(なじみのない方の章を後回しにさせてもらった。)昭和の大衆史をトピックを選んで語っておられるような本。気になったのが「ヒゲの伊之助」の項。白髭をたくわえた式守伊之助、なぜか…

ブンミおじさんの森

タイのアピチャッポン・ウィーラーセタクン監督のものをみるのは三作目だけど、いつもあの世とこの世が入り混じり、輪廻思想みたいなものも感じさせる。この作品は森の動物に出会った時も自分の前世として向かい合う僧侶の話が下敷きになっていて、言葉では…

大林宣彦青春回顧録 2

「尾道」(1963) 「木曜日」(1961) 「中山道」(1963)大林監督の8mm映画作品。大林監督ご自身の解説つき。また収録時に大林監督が音をつけなおしたものもあり。(「中山道」) 「木曜日」はヌーヴェル・バーグを意識したという不条理ドラマ。 ヒロイ…

ハンガリアン狂詩曲

all cinema説明的な部分が少なく、絵巻、一大叙事詩のような感じで農村で力のある、ある一家とその長男の物語を描いている。 解説を読んでやっとわかった部分もあったが、みていて決して苦痛ではない。美しいロングで撮った映像と音楽で構成された絵織物のよ…

現代やくざ 血桜三兄弟

昭和46年中島貞夫監督作品。 おもしろかったー。冒頭白タクシーンからはじまるのは「893愚連隊」*1も思い出す。野坂昭如氏の「マリリンモンローノーリターン」の歌声が当時の空気をすごくあらわしていて、最後、三兄弟(菅原文太、伊吹吾郎、渡瀬恒彦)が火…