ヒズ・ガール・フライデー

 

ハワード・ホークス監督の映画の話を最近twitterでしていて、「ハタリ!」*1に引き続いてみてみた。「ハタリ!」も「赤ちゃん教育*2もだったけれど、ハワード・ホークスお転婆さんが好きなのでは?

すごい早口でポンポン進むお話。ブンヤさんってもともとこんな感じなのね、と、大河ドラマ「いだてん」の田畑氏も思い出す。なかなか楽しめた。

ふや町映画タウン ☆☆☆(かなり、おすすめ!!!)作品。

無宿人別帳

 

無宿人別帳 [DVD]

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 みたのはVHS。

twitterこちらのtweetを拝見してみてみた。松本清張原作。佐渡金山に送り込まれた無宿人*1たちの物語。

佐多啓二さんのまげもの、私も初めて見たが素晴らしい!二枚目の迫力!キャストがすごく豪華。DVDの表紙で佐多さんとやりあっているのが三國連太郎氏なんだが、この造形が松本清張的な仕掛けに満ちていてなかなか面白い。無宿人仲間に渥美清氏。ちょっと愛嬌があるけれど現世的な感じ、近視眼的な判断をしそうな感じとかうまい。同じように小屋に入れられているけれど風格のある宮口精二氏。一口に無宿人といってもその境遇になった理由はそれぞれという感じがする。女(左幸子)を使って策を弄する小役人長門裕之氏、奸計を企てる小さな人間ぽさが炸裂。脚本は小国英雄氏と監督の井上和男氏。退屈させないとてもおもしろい作りの映画だった。

 

*1:現代の戸籍のような宗門台帳から外されている人

ハタリ!

 

ハタリ! [DVD]

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 みたのはVHS版。twitterで、ハワード・ホークス監督の話をしていて、名前が出てきたのでみてみた。表紙からしてマッチョな男の映画であり、しょっぱなのアフリカから動物を生け捕りにするなりわいというのも何だか今みるととても乱暴な感じにみえるのだけど(画面的には昭和時代テレビで放映されていた「野生の王国」風、まだアフリカの動物が珍しかった時代の空気)、西部劇の延長線上というか、今の価値観はとにかく置いておいて、とりあえずこういう仕事の人はいただろうなという感じで頭を整理したら、そこでの人間関係のやりとりとかなかなか面白いし、退屈させない。さばっとしていてシンプルでイヤな雰囲気でもないし。ジョン・ウェインが女性音痴みたいな設定で、まわりのものがニヤニヤみてたり手助けしたりする感じ、同監督の「教授と美女*1で、ゲイリー・クーパーが置かれていた立場みたいでなかなかおもしろい。有名なあのかわいい「子象の行進」がこの映画の主題歌というのも新たな発見だった。

youtu.be

 ふや町映画タウン ☆☆☆(かなり、おすすめ!!!)作品

悪魔の美しさ

 

 

悪魔の美しさ [DVD]

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 みたのはVHS版。

ファウスト」のおはなしということで、つらくてシリアスなものを想像していたら、意外な展開・・ルネ・クレール監督、こう翻案するか!よいなあ。「明日を知った男」*1とかもSF風のまとめ方と思ったが、こちらもまるで手塚治虫の作品をみているような、テーマは壮大でも、かわいらしさとハラハラ感の同居する感じ、とっつきの良さがとてもよかった。しゃれた展開。 

芝生は緑

  

芝生は緑【字幕版】 [VHS]

芝生は緑【字幕版】 [VHS]

 

 

 ロンドン郊外のお城を公開して、アメリカ人などの観光客からの収入を得ている伯爵夫婦。(ケイリー・グラントとデボラ・カー。)TVドラマ「ダウントン・アビー」の舞台のお城の現在みたいだ。

大金持ちのアメリカ人(ロバート・ミッチャム)が現れて、伯爵夫人の心が揺れ、というラブコメだけど、伯爵夫人が結構モノに執着があるシーンがあり、「かわいい」という感じなのかもだけど、わたしには、女ってこういうところあるよな、とみてしまった。いさぎの悪さというか、その人との関係を象徴するものを平気でその人との人間関係は終わってしまってからでももったいないから手放さないみたいなところ。

はじめ、なんだか細かく即物的ケイリー・グラントよりアメリカ人の鷹揚さがあり、文化へ惜しみない愛情をかけるロバート・ミッチャムにデボラ・カーが惹かれていくところは大いに共感をおぼえたのだが。。でも、この感じ、京都でもありそうな・・京都の良いところを見出し、気持ちよくしてくれるのは主に東京の人で、京都どっぷりの人間はこのケイリー・グラントみたいに割合しぶちんだったりして、人をよい気持ちにさせるという発想から遠かったり・・入江敦彦さんも時々書いておられるように、イギリス的なものと京都、京都の人間がいうのは図々しいかもだけど、どこか共通するものを感じることがある。

ケイリー・グラントが、妻の心が離れてると感じている時のやるせない雰囲気はなかなかよかった。それにしても、自分には意外な感じで話が転がっていった。浄瑠璃的な世界だったらこうはいかないな。

ジーン・シモンズの衣装をディオールが担当しているのだが、華やかで良かった。

浮かれ三度笠

 

浮かれ三度笠 [VHS]

浮かれ三度笠 [VHS]

 

 

陽気で小粋な雷蔵さん!とても楽しめる。本郷功次郎さんとのコンビ仕立ても楽しいし、玉緒さんとも楽しそうな雰囲気。ラスト拍手して声かけたくなるような爽快さ。左幸子さんの登場シーンも心奪われる。

日常の戦ひ

all cinema

石川達三新聞小説毎日新聞←どおりで、主人公佐分利信の弟役藤田進氏が毎日新聞の人になっている。)の映画化。1944年8月3日封切。配給、女性のモンペ姿などが日常的であり、「この世界の片隅に*1のリアルタイムバージョンとも感じられる。隣組の組長選びや、寄り合いなども細かく描かれているが、今年度町内の役をしている自分には親近感。普段の自分は町内の集まりとかもうすぐだなと考えるだけで憂鬱になるタイプなのに、町内の役になってしまうと、この映画の個人主義のおっさん絵描きみたいなのを、やることやってからへらず口たたけ、みたいな視点でみてしまう。時代が悪くなってしまったらひとたまりもなく変な方向に進みそうなおそろしさ。

藤田進氏が絵にかいたようなバンカラで、いつもフケだらけ、男の子にお人形を買ってくるようなざっくりした人物なんだが、つくづくその人の欠点ともみえる部分が結局最終的に心に残るいとおしい部分でもあるんだなあというのを、実は自分の身近な人間でも感じているところ。

志村喬が謡のようなものを披露するシーンあり。志村さんは声を披露できる役者として定評あるのだろうな。

 製作は藤本真澄プロデューサー。「日本のいちばん長い日」*2や「軍閥*3などの激動の昭和史シリーズのプロデューサーとして記憶していたが、この時代から仕事されていたんだ・・