日本のいちばん長い日(1967)

 

日本のいちばん長い日 Blu-ray
 

平成版*1をみたので、旧版を再見。間違いない名作。平成版をみたことでさらにこの映画の立派さがわかる。平成版もだったが近年のこういう作品、現代に引き寄せるためか、家庭人としての姿を描く傾向にあると思うが(「聯合艦隊司令官 山本五十六*2なんかでも。。どちらも役所広司の映画で。。)こちらのように仕事に集中して描いてもらう方がいい。(家庭は本当に最小限の描写だった。)平成版は歴史の解説、とっつきとしてはいいかもしれないが、映画としての格はくらべるまでもない。前回みたときも小林桂樹演じる侍従が玉音放送の録音盤を守るシーンがとても心に残ったが今回も掛け声をかけたいくらいいいと思った。セリフも素晴らしい。前回*3みたときよりも多少は昭和史の知識を増やしたおかげでマスでとらえるだけでなく、ひとりひとりを精査してみられたと思う。玉音放送を昭和20年8月15日正午に放送するためギリギリの攻防があったのだな、とこれは前回も思ったが、一回目にみたとき陸軍の人たちがごっちやになっていたのを最後の最後の東部軍参謀のふんばりなど具体的に理解できたし、内閣の事務方や外務大臣、情報局長などももっと深くしっかり理解できた。志村さんのセリフにある大日本帝国のお葬式という言葉にふさわしい劇的な、胸にくる作品であった。