岡本監督のバージョン*1と比べそうでずっとみてなかったけれど、モックンの昭和天皇はいいし、これはこれで別物でという声をきいてみてみた。岡本版の緊張感、熱の記憶があると、えらい涼し気に話が進むなという印象。「シン・ゴジラ」*2の、会議や役職をちょっとかっこよく描いたあの感じがおとなしく進むみたいな・・ただ岡本監督版をみたとき、こちらにまるで基礎知識がなく、もう圧倒されて、終戦の日周辺にこういうことがあったといううねりとしてとらえたものが、とてもわかりやすく頭には入ってくる。ちょっとどちらかというと歴史ものの再現フィルムをとても豪華に作ったような感じ。
はじまりかたからして違っていて、役所広司演じる阿南陸軍大臣を見守る山崎努演じる鈴木貫太郎首相ということが中心になっている。(鈴木貫太郎が侍従長であったとき、阿南惟幾は侍従武官であり、昭和天皇への思いは特別でとても細やかな仕事をしていたというような表現があった。)監督は「突入せよ!あさま山荘事件」も撮っている原田眞人。大きな出来事をある人物にフォーカスして描く手法は似ている。どちらもその重要人物は役所広司。
モックンの昭和天皇は評判通りなかなか良かった。昭和天皇の自分の中のイメージと近い。余談だが、先日、NHKスペシャルで昭和天皇の拝謁記をとりあげていたが、片岡孝太郎さんの演じる昭和天皇も抑制がきいていてまた特徴も出ていてとてもよかった。