岡本喜八監督の「大菩薩峠」*1を観たあたりから西村晃氏のことが気になり始め、この作品では、日本で初のロボット「學天則」発明者である実父西村真琴氏を演じておられるときき、観てみた。荒俣宏氏の博物学知識に実相寺監督の仏教的色彩がミックスされた作品。
クリーチャーなどは力が入っていたけれど、SFXの戦闘シーンなどは年代がたつとチャチにみえるところもあるし、もともと自分があまりそういうシーンが好きでないものでこれは映画でみるより本で読んだ方がよいのではないかという気持ちになるところも。(作って見せてしまった時点で限界があると思うので。ただ造形物の中に千手観音的なものがあったりするのは楽しかった。かねがね持ち物を持たれたり、乗り物に乗ったりされている仏様を拝見するたび、現代のゲームに登場してもおかしくないと思っていたので。)
しかし明治以降の中央政府のありかたに将門の霊をからませ、大正の終わりから昭和の初めの頃を描く切り口は面白いし、その時代への興味ということからは楽しめる。
泉鏡花役、なにかほかの出演陣と間合いが違うと思ったら坂東玉三郎。
渋沢栄一、先日「100分de名著」でその著書「論語と算盤」を取り上げていて、「資本家=欲のかたまり」みたいなシンプルな捉え方はあまりに滑稽であったと気づかされたのだけど、この映画では勝新太郎が演じていて、自分のイメージより軽い印象。私のイメージによるキャスティングなら三國連太郎かな、と思ったりもした。
石田純一がものすごい霊力を秘めた将門の子孫なんだけど、当時は今より正統派二枚目扱いだったとは思うけれど、もう少し凄みがほしい。