東京のえくぼ

 

東京のえくぼ [DVD]

東京のえくぼ [DVD]

  • 発売日: 2005/09/22
  • メディア: DVD
 

 この映画を観たきっかけは大好きなHP「キネマ洋装店」での紹介。

cineyoso.movie.coocan.jp

 

ちょっと「ローマの休日」(1953)*1の男女を逆にしたようなストーリーなんだが、こちらのほうが早く作られている。(1952)オードリー役というか承認ハンコに明け暮れる社長役が上原謙

f:id:ponyman:20210511122100j:plain彼の会社(紀伊国屋物産)の社長(世襲制)は代々眼鏡と髭を蓄えることになっているようで、ちょっとトニー谷氏のような姿での登場。キネマ洋装店さんで書かれているようにかなりボンクラ。最終的な結論もハッピーエンドのようではあるけれど、これでいいんかいな?と思うようなもの。

ヒロイン丹阿弥谷津子の父が柳家金語楼紀伊国屋物産の嫌な専務に古川緑波、ヒロインの友人婦人警官役が高峰秀子。この三人が出てくると引き締まる。

脇役を演じる柳家金語楼、先日観た「右門捕物帖 片眼狼」*2でもそうだったのだけど、出すぎない感じがいい。顔も売れているコメディアンである彼、映画を映画として成立させる「ほど」を心得ておられる気がとてもする。

古川緑波のアクの強い専務、これがうまかった。関西訛りで上原謙の坊ちゃん社長との対比がしっかりしている。ロッパはwikipediaをみていると、関東生まれ、一時福岡におられたみたいだけど、そのあと早稲田に進まれたようで、関西と関係がなさそうなのだけど、声帯模写に秀でておられたことが載っており、この辺の耳の良さから関西言葉もとても自然に聞こえるのかなと思った。一言一句は違っているのかもしれないが、関西弁の雰囲気を出すのがうまい東京の人っていると思う。十八代目中村勘三郎にもそれを感じた。

上原謙がホルンを吹くシーンがたくさん出てくるが、上述のキネマ洋装店たかぎさんの記述によると、上原氏は大学時代にホルンを吹いていたそう。