両作品とも最終巻。東村アキコ氏、読ませる才能ものすごく感じる。東村さんに向けられる批判として途中でめんどくさくなってなんかちゃちゃっと終了するというようなこともきくけれど、「東京タラレバ娘」も急にまとめに入り、いい話に転換してあったのはおかしかった。(この結論はどこから決めていたのか、それなりに説得力はあった。)本編の終わった後にいつも「タラレBar」といって読者からの相談に答えるところがあるのだけど、今回も、本編はいい話でまとめつつ、この「タラレBar」は東村さんの本来の面白さ、読者に喝を入れる毒舌が炸裂していた。(それも多分言われた方もにやにやしてしまうような、うまい按配で。)
「海月姫」も前の巻だったかシンガポールのくだりなどかけ足すぎたけれど、最終巻は夢のあるかわいい話として持ち直していた。話の決着のつけかたもよかった。
「海月姫」のあとがきにあった、洋服を昔から作っていた東村さんの話、こういうしっかりものみたいな部分がこの人の魅力だよな。