魂遊び ほうこう

ポレポレ東中野で公開時の紹介ページ
movie walkerの紹介ページより

京都在住の人形師・奥井恵介の仕事ぶりを描くドキュメンタリー。奥井恵介は京都の銀閣寺に近い下宿に住み、顔師を生業としている。顔師とは芸妓や舞妓などにいわゆる白塗りの化粧を施す人のことである。そのかたわら奥井は独創的な人形造りを続け、寺の境内などさまざまな場所で公演を行ってきた。また、音楽も新内、地唄長唄などの邦楽を始め、電子音楽といったさまざまなジャンルのものを使用している。

高林陽一監督。1988年製作。
ビデオジャケットの「協力」の欄に大林宣彦監督の名前が。ドラマ仕立てで、みているものを代表しているような人が奥井の人形と出会ったりする場面の風合いなどは大林監督の映画風でもあった。何かスケッチブックに描いたようなタッチ。
ロケは京北(バス停に「鬱桜寺」という文字が見えた。)や山陰線の日吉駅あたりか(1996年まで殿田駅という名前だったようだが、「たばこは日吉町で」というような看板がみえる駅前。)

奥井氏の作る人形芝居は、情念などがどろりと沸き立ち、ストリップ劇場「京都道成寺」における 「娘道成寺 日高川」など大変エロティック。土の匂いがした。もしかして原初の人形芝居というのはこういう妖しさを秘めていたものかもしれない。