映画系女子がゆく!

確か日活ロマンポルノの感想だったかなんだかで筆者の真魚八重子さんのはてな日記にたどり着いたとき書いておられる丁寧な分析がおもしろくて、以降ブックマークして時々のぞかせてもらったり、twitterを読ませてもらったりしていた。
最近では朝日新聞にも映画評を載せておられたりどんどん映画関係のお仕事の幅を広げておられる。
この本はブログから漂う専門性も踏まえながら、映画の中の話に終わらず、女性として今まで生きてこられた中で出会った実生活上の思いがとても反映されていて読んでいて共感できる楽しさもいっぱいだった。
読んでいる間とても楽しめ、「この映画はそういう風に思っておいてよかったんだ!」というような心地の良さも味わえた。
たとえば「ベティ・ブルー」。「正直見ていて戸惑う映画だ」の一言にほっとする。実際なんかこりゃかなわんなーという風にみていたのだけど、それをいうのをためらうような何かが公開当時の自分にはあった。ベティのエキセントリックな破滅衝動をもった女を増幅させていたのが交際相手であるという分析、なんだかすっとするやらおもしろいやら・・
なるほどと思ったのは「アメリ*1。映画内のリアリティーなどという映画でなく、主人公が脳裏に描いた夢想が、どんなとっぴなものでも、そのままで映像で表現されるという言葉に、今まで「これはアメリやりすぎでは?」などとムキになっていた自分がアホくさくなった。また「キャット・ピープル*2を性嫌悪症の物語として認識してなかった自分の甘さよ。
ぜひともみたくなったのは今さらだけど、「アダムス・ファミリー」(本書には「アダムス・ファミリー2」の話が載っている。」)と「害虫」。「アダムス・ファミリー」がゴスの孤独と美学を描いているものだったとは・・テレビでちらっとみたときは楽しかったし、ふや町映画タウンのおすすめにも入っているものだから、これは・・と思いつつもなんかメジャーすぎて後回しにしていた。「害虫」はティーンエイジャーの宮崎あおい蒼井優のすばらしさの評判はきいていたが、真魚さんの分析もおもしろく、みた後またこの項を読み返したい。


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