特別な一日

ル・バル*1や「ラ・ファミリア*2で好きになっていくつか作品をみていたエットーレ・スコラ監督が1月に亡くなられ、GYAOで追悼のため期間限定で「特別な一日」が無料配信されていた。

ヒットラーがイタリア入りした日の、あるイタリアの高層アパートでの出来事。ラジオ局のアナウンサーだったガブリエーレを演じるマストロヤンニと、六人の子持ちで、当時のイタリアのムッソリーニ政権を純粋に信奉している主婦、アントニエッタを演じているソフィア・ローレンの共演。
アントニエッタの朝から映画が始まり、ガブリエーレの姿がアントニエッタの思いとともに違ったものにみえるのが見事。
集団と自分の考えが一致しなくなった時、試される自分自身・・スコラ監督らしく丁寧なスケッチを提示して観ている者に託す作り方。
「三銃士」が物語のアイテムとして出てくるが、価値観が揺らがされる時、そういうものに影響されない古典の強さというものを感じる。テレビの「四銃士」というものでだけ、「三銃士」のことを知っているというところにもアントニエッタの暮らしが見える。
見終わった後、ふっとあの二人のことが思い出されるような作品だった。
スコラ監督が亡くなる前に作られたフェリーニについての「フェデリコという不思議な存在」などもみてみたいな。

特別な一日 [DVD]

特別な一日 [DVD]