タモリと戦後ニッポン

終戦の年に生まれたタモリを軸に、タモリの人生と同時に日本の戦後世相を語っている本。たとえばボーリング場、たとえばスタジオアルタの成り立ち。世相をたどっていくと、竹村健一がテレビに出ていた時代、「いいとも」でのさんまとのコーナーの楽しさ、「おれたちひょうきん族」などリアルタイムで経験済みの私にはおもしろくてぐんぐん読み進んでいく。
自分にとっての一番の発見は、ちょっと前に82年に出た「映画に乾杯」という和田誠氏との映画対談でおもしろい人だなと思っていた高平哲郎さんという方がすごくタモリに近いところにいらして、何かれと仲介役をされていること。和田さんとの対談の中でも時間をかけて相手のよいところを引き出すインタビューの話をされていて、高平さんがされた仕事もっと知りたいと思っていたところだったのでうれしかった。
タモリが芸能界に出始めるきっかけを作った歌舞伎町のスナックの様子は「ヨルタモリ」の雰囲気そのまま。