タイトルだけは知っていたMGMミュージカルを代表する傑作。以前ふや町映画タウンで借りようとすると、アステアを味わうならもっと古い時代のものをといわれ、先に30年代のアステア全盛期の映画をみたのだが、それで正解だった。この映画でアステアが演じるのは一世を風靡し、だけど今や過去の人扱いになっているダンスのスターで、アステア自身の経歴*1と重なりすぎて設定にドキドキするほどの役だったから。
もちろんアステアの踊り、そして歌までも!のすばらしさは変わりないけれど、アステアの全盛期をみた上であれだけのスターが、時代と共に消え去りかけて・・ということを踏まえてこれをみるとより感慨深い作品だと思われる。
バックステージもので、出てくるミュージカルナンバーは、この舞台はいったいどんな話なんだ?と思うような場面によって全然違う趣向のものなのだけど、私が好きなのはビデオパッケージにも写真が出ている
「トリプレッツ(3つ子の歌)」
序盤の、落ち込んでいるときは靴をちゃんと手入れして、背筋を伸ばしていこうという感じのする「靴が光れば」もとてもいいナンバー。出てくる遊技場の風景も、「ビッグ」*2で事のおこりがある怪しげなゲームセンターにも通じる雰囲気で楽しいし、また、このナンバーのアステアをみて、収容所ものの映画「遥かなる帰郷」*3の中で希望の光のように登場するアステア映画の素晴らしさをまた思い出した。
あと超有名な「ザッツ・エンターテイメント」もやっぱりいい。
ちょうどこの映画を借りてきたばかりの頃、本棚の整理をしていて出てきた和田誠氏と三谷幸喜氏の「それはまた別の話」
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*1:一旦はこの前に引退していて、ジーン・ケリーの代役で「イースター・パレード」(http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20130624/1372043456)に出て復活したという経緯がある