続・激突!/カージャック

「激突」があたったからって、スピルバーグだからってこのタイトルはないだろう・・原題は「The Sugarland Express」。
なにか動物の母親みたいな感じで自分たちの子供をSugaraland(地名)に取り戻しに行こうとするゴールディ・ホーン演じるルー・ジーンとその夫クロヴィス。その手段としてひょんなことから二人の人質になってしまったスライド巡査。ルー・ジーンの強い個性に巻き込まれてしまった夫と巡査の様子、無力な存在ながらも必死で知恵を絞っている感じ、とんでもない旅をきっかけの変化や成長みたいなものに惹きつけられる。このところ、「俺たちに明日はない」風の、男女の逃避行ものを続けざまにみてきたが、これもその変種ともいえて、一緒に行動はしているけれど、そこにはそれぞれの思惑みたいなものがあり、でも、もうこの中でやっていくしかないというあきらめとひらきなおりの時間があり、その中でどうやっていくかというところの表現に興味を持ってしまう。
狼たちの午後*1みたいな、大きなものに立ち向かうにはこんなやけのやんぱちみたいな方法しかないと追いつめられている状況、そして、それをみている人々の心に何かが飛び火して・・というところもおもしろい。アメリカン・ニューシネマの色彩いっぱい。
追跡を指示する警部役ベン・ジョンソンの描写もいい味を加えている。

続・激突 カー・ジャック [VHS]

続・激突 カー・ジャック [VHS]

  • 発売日: 1985/07/21
  • メディア: VHS