マルメロの陽光

庭に実ったマルメロの実をアントニオ・ロペス・ガルシアという画家が描くさまを丁寧に描いたもの。9月の終わりから2か月くらいかけて。超写実主義でマルメロの様子をそのまま絵に写し取ろうとしているものだからマルメロが熟してしまうのと競争みたいなところがあり、その上画家の人生とマルメロの熟する様子は重ねて描かれているものだからドキドキするのもをはらんでもいるのだけど、しんどくならない。そして、映し出されるものはごくシンプルなのだけど、退屈になったりすることなく、ゆったりとした心持ちになるのはビクトル・エリセ監督の力量なんだろうなと思わされる。マドリードの夕暮れの風景、外から家の中のテレビが写っているところなど、丁寧に描かれた日常から普遍というものをすごく感じさせる。

マルメロの陽光 [DVD]

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