アリスの恋、救命士

プチマーティン・スコセッシ祭。昔の作品の方がよかった・・などという声を時々きき、そんないわれ方って。。って思うこともあったのだけど、この二本に関しては1974年の「アリスの恋」の方が、1999年の「救命士」よりずっとよかった。「救命士」はいろんな要素が盛り込まれ、みているものの視点がぶれてしまうような・・「アリスの恋」は、こどものいるもう若くない主婦の気持ちがオフビート感にあふれながら、かなりうなずける感じで描いてあってとても楽しめた。「救命士」は、ポール・シュレイダーとのコンビということで、その時代の問題を描いて、主人公を悩みぬかせる感じとか、時を経た「タクシー・ドライバー」と思わすところもあったり、宗教(カトリック)と人間というテーマとか、女性に聖母的なものをどこか重ね、悩んでいるような感じが初期の作品からずっと受け継がれている世界だなと思わせてくれたのだけど、作品をみた後の充実感がちょっと少ないかな・・逆に変に盛り上がってしまわないところがスコセッシらしくてとてもいいとは思うのだけど。

☆この日記を書いたあと他の方の「アリスの恋」の感想をみていたら、登場するとっても印象的だった女の子がジョディ・フォスターだったと判明。なるほどの存在感。あと音楽の使い方は二本ともすばらしかった。さすが。


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