はるか、ノスタルジィ

 

はるか、ノスタルジィ デラックス版 [DVD]

はるか、ノスタルジィ デラックス版 [DVD]

  • 発売日: 2001/05/25
  • メディア: DVD
 

坂のある街、大人になりかけの少女とエロス、時空を超えたSF的な要素など大林監督らしさで溢れており、監督名を聞かなくてもちょっと観たら大林作品とわかりそう。「転校生」「さびしんぼう」の山中恒原作ということで二作品を大林監督の出身地尾道で撮ったから今度はお返しに山中恒氏の出身地小樽で撮られたという。

 

1992年の作品だが、当時を思わす石田ひかりのファッションなども懐かしくかわいらしい。小樽の風景もタイトル通りノスタルジックで好ましい。「海猫屋」というお店が出てくるが村松友視氏の作品に「海猫屋の客」というのがあったな。改めて読みたくなっている。

先般閉店してしまったらしくこちら↓の記事を興味深く拝見した。

www.otaru-journal.com

 

あと元遊郭的な建物として出てくるものにも関心を持った。

鰊漁の話では「ジャコ萬と鉄」*1を思い出していたのだけど、あちらも小樽の映画だったらしい。 

大林監督の作品世界は好ましいのだけど、そこはぼやかしてほしいというところをみせてしまう特徴は時々気になるし、またこの作品では尺の長さも欠点に感じられた。この作品、大林監督のファンの間でも賛否両論との声があるらしく、少し納得。「さびしんぼう」の続編的要素も持っていると指摘されている方もいらっしゃり、「さびしんぼう」は確か観てなかったように思うので、観なきゃなという気持ちになる。