あした、三毛猫ホームズの推理

 

 大林監督作品を二作品観た。

あした デラックス版 [DVD]

あした デラックス版 [DVD]

  • 発売日: 2001/07/25
  • メディア: DVD
 

 「あした」はなんといっても植木等さん。存在自体の凄み、温かみが滲み、もう出てこられるだけで画面がぐんと引き締まる。こちらの演技で第8回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞受賞もされたそうだ。

そして、大林監督のそれまでの登場人物が意味のある感じでたくさん出てきて、とても面白い。すべてを俯瞰する女神のような原田知世さん、愛すべき岸部一徳さん、先生として若い世代に向き合う尾美としのりさん。大林さんの敬愛しておられる入江若葉さん。そして、今はたまに特別にお仕事をされることもあるらしいが、大林作品では自分は観たことないが、引退された宝生舞さん。彼女のきりっとした顔。植木さんのことを「おじいちゃん」と呼ぶ役柄が素敵で素敵で。植木さんの妻の役の津島恵子さんも素晴らしい。そして、冒頭だけ出てきた坊屋三郎さん。峰岸徹氏も、「廃市」あたりからの流れも感じた。それぞれがやっていた役の魂をどこか引き継ぎながらこの映画に存在しているような感じを受けた。

大林監督の作品をみていると、時々、いらない裸とかが出てくるように感じてしまうのだけど、(今回も、シャワーシーンとか、またほぼ同時にみた「三毛猫ホームズ」でも必要かなと思うような下半身が強調されたようなシーンとか)、分析している方いらっしゃるのかな・・(←これを書いてからamazonのレビューを見ていたら「脱がし屋」という言葉が出ており、やはりかと思う。)

潮騒」を意識したようなシーンもあったけれど、わたしはあの二人の結びつきがもうひとつだった。あの世とこの世の話の中この世同士の話だからだろうか?一応冒頭から続く大事なエピソードではあるのだけど。。

田口トモロヲ氏が、鹿賀丈史氏風の長髪で、びよーんというような変わったを鳴らしながらの鉄砲玉みたいな個性的な役でこういう感じにもなるんだという新鮮さがあった。

 

三毛猫ホームズの推理 ディレクターズカット [DVD]
 

みたのはvhs版。

こちらは、陣内孝則氏が、気の弱い刑事を演じる。ちょこんと被る赤いベレーがお似合い。函館が舞台で、大林監督らしいノスタルジーも感じられる画面作り。

葉月里緒奈氏、私は作品の中で観たのは初めてかも。

ストーリーは少し意外な展開すぎるかもしれないが、三毛猫ホームズを抱っこしている陣内氏の姿は魅力的。しかし、ホームズなのにメス猫。オスの三毛はめったにいないのだから理にかなってるかもだが、なんでだろうな、とちと思った。