古都

京都の影の部分も映し込むようなシャープなカメラ(成島東一郎)、不安になるような武満徹の音楽、また巧みな演技陣により表現されるこわいほどリアルな京都の人々・・よくできた作品だと思うが、川端康成が内包するものを直視し続けるのがなんだかつらいような気分になる映画だった。普段平らかな水面を思わすような人々が、突然こんな極端で激しすぎる感情を表に出すなんて・・という底知れなさ。そこも京都の風土とあっている気はするが・・
「張り込み」*1で渋い刑事を演じていた宮口精二がここでは呉服問屋の旦那。これがまたナチュラル。
表面的には描いていないけれど、覆っているどこか変態的ですらある空気、これをポルノ化して、ある意味もう少し見やすいものにしたのが、小沼勝監督の「昼下がりの情事 古都曼陀羅*2のような気も・・

古都 [VHS]

古都 [VHS]