「おかあさん」や「流れる」に出てくるような優しい雰囲気の田中絹代が好きなので、これはちょっとキツさがしんどい気もしたのだけど、役柄から考えればリアリティのある表現だったように思われる。
成瀬監督の映画によくはさみこまれる大道芸人などのちょっとした風俗にとても心をひかれるのだけど、この映画でも銀座でお小遣い稼ぎをするこどもたちの姿などまだまだ発展途上な時代の日本の姿が自然に描かれている。でもあの時代の方がこどもも責任をもたされてなんだか生き生きしているようにみえるし、のびのびしてみえた。
田中絹代の妹分の香川京子の姿が「娘さん」のよさにあふれていて、ある時代の日本の美意識のすばらしさを後世にも残している気がした。
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