アイドル街道をまっしぐらだった西城秀樹と田中絹代 の共演映画。(西城秀樹の出番は少ない。)映画自体のテーマは田中絹代の財産をめぐる家族の底の浅いお話だけど、家で家事手伝いみたいな立場の次女(夏純子という方らしい)が、撮影隊にぽーっとなって、女優を目指そうかななんて夢をふくらますシーンで、河原崎長一郎が投げ捨てるようにいうのが「気でも狂ったか!?」と一蹴するセリフ。昭和の家長という感じで新鮮。女優にあこがれる孫の話をきく田中絹代。田中さんのフィルモグラフィーが勝手に走馬灯のように駆け巡り、妙にぐっときた。よく、ふや町映画タウンの大森氏と話すのだが、がんばりすぎる田中絹代はしんどいが、「サンダカン八番娼館」みたいに肩の力の抜けた、老境の田中さんはいいなあと。この映画の田中さんやっぱりすごくいい!「サンダカン八番娼館」でもいいなあと思っていたけど、あの頃の田中さんの仕事もっと追いかけたくなってる。
75年当時のおばあちゃんファッションも懐かしい! 明治38年生まれの祖母がやはりこの頃同じような恰好をし、同じようなバッグを持っていたなあ。田中絹代さん調べたら明治42年生まれ。祖母と4つ違いだったんだ・・
そして、舞台は成田。空港のフェンスの前の畑なども映っている。最近も三里塚の映画であの畑みたなあ。成田で撮影という部分も心に残る。空港と不動尊をバランスよく映す。