銀閣寺あたり

windshipさんがボードに書いてくださる。

美容院で読んだ「メイプル」の京都特集の記事に影響されて銀閣寺にあるお店を訪ねました。

評判の料理人さんおすすめのお店、というくくりのその記事の中でもぽんさんも紹介されている「草喰・なかひがし」の中東さんがおすすめなのが、昔(でもないのかしら)、OTENBA KIKIだった「GOSPEL」というカフェ。
夜はお酒もいただけるよう。
仕事帰りに時々立ち寄られるのだそうですが、midi apres-midiというお店のお菓子がいただけるのはそこでだけという個所にいたく惹かれてしまい訪ねたってわけでした。

雨上がりのもうすぐ夕方になる時間。
普段より暗くなるのが早くあたりはもういい感じにたそがれていました。
階段を上がり、席に落ち着いて見回すと、クリスマスツリーの飾り付けにいらしたらしい花屋さんがメインの大きなテーブルに花材を並べて思案中。

お目当てのロールケーキにありついて、そそくさと階段を下りていくと
1階のお店の前に、丁寧に扱われたような古い文庫本が小さなテーブルに置かれて、飼い主を求めるコメントが添えられていました。
それで初めて、そのお店に目をやると、ドアの向こうは、なにやらとてもよさげです。
「迷子」というアンティーク&カフェでした。
お店の中は、時間が止まっていました。
オーナーらしき人が客(私です)の姿を見て、蓄音機を回して、もったいないような音を流してくださり、押し付けがましくなく、いろいろ話し掛けてくださいました。
店内の古本は、映画関係、童話、ミステリーなどお尻に根がはえてしまいそうなラインナップでした。
ぽんさん、「溝口健二が愛した女」などというのもありましたよ。
10分ほどいて、1冊いただいて、かなり思いを断ち切って外に出ました。
後ろを振り返ったら、もうそのお店もあのオーナーも掻き消えてしまっているんじゃないか、と思ってしまうような、突然の出会いでした。
「迷子」の名前は、あまりにもふさわしくて。。。