わが生涯のかがやける日

 

1948年 吉村公三郎監督

ふや町映画タウンの紹介ページにワイラーの「我等の生涯の最良の年」への言及。

名前だけじゃなくそれぞれの「戦後」から「戦争」を描く姿勢は共通
「日本のいちばん長い日」と地続きな冒頭

 

吉村公三郎 人と作品 映画は枠だ!」(同朋舎発行 発売角川書店)の中の佐藤忠男さんの「吉村公三郎監督作品24選」にも掲載。

ただ佐藤さんによると

もともとは敗戦後の当時の混乱した社会における右翼暴力団と政界の結びつきの告発など、社会批判的な観点を大きく盛り込んだ作品になるはずのところが、アメリカ軍の検閲でメロドラマ的な要素だけが残ってしまったという事情があるようだ

なるほど、そういうことか。検閲前の姿観たかった。

戦前戦後の影を背負った森雅之はなかなか魅力的だったし、右翼系新聞社に乗り込む宇野重吉(彼は左派系新聞社の記者)が出てきた途端、よどんだ空気の魔窟の画面がメリハリをつけはじめたが、どうしても上記の検閲のおかげで活劇っぽさを加味した恋愛ものみたいな単純なつくりになっていて残念であった。