チェン・ユーシュン(陳玉勲)監督

先日宮藤官九郎脚本 山下敦弘監督で京都舞台の「1秒先の彼」を鑑賞

台湾の「1秒先の彼女」

 

という作品がオリジナルなのでそちらも併せて観たらほぼ同じストーリーなんだけど断然台湾版のテンポのほうが良く、監督を調べたら、90年代の「熱帯魚」や「ラブゴーゴー」のチェン・ユーシュン(陳玉勲)監督作品だった。二つとも大好きな作品だったので監督作に再会できて嬉しかったし、可愛らしくて面白い作風が健在でそれが大ヒットしたことに大きなよろこびを感じた。

そんな流れで久しぶりに「熱帯魚」も再鑑賞。

 

「1秒先の彼女」を観てからだと、2つの作品が監督の生んだ姉妹だなとはっきりわかる。ラジオ、美しい海辺、愛情たっぷりに描かれる街の人びと。劣等感。

「熱帯魚」の舞台設定は監督の出身地東石村。*1「1秒先の彼女」にも東石村がとても大事なシーンで出てくる。日本版リメイクではその部分、京都府天橋立や舟屋のある伊根町になっていたが、その選択に納得する海辺の良い雰囲気の町。

「熱帯魚」はまたほんとにテンポがよく笑ってぐっとさせる。誘拐にまつわるコメディなんだか誘拐される子どもたちのあざとくないかわいしさ、凶悪になれぬ誘拐犯の表情が最高で、彼の周辺の人物もたくましく面白く、演じている人の横の受けの芝居も本当に巧みで素晴らしい。良いひとときを過ごせた。

*1:実際の撮影は近隣の台南市・大甲ではあるが