二組の建築家の出版記念にあわせたトークイベントに出かけた。
会場となった京都信用金庫北野支店は建築家 菊竹清訓氏の設計。お若く、銀行員にみえない雰囲気の支店長氏によるとこの建物はそこかしこ地域に開かれた、ということをコンセプトに作られていて、それが経年とともに使われなかったりしていたのだけど、ちょっとずつその想いに沿った使い方をしていきたいとのこと。この日きいた話とつながっていたし、このイベントがここで行われた所以を感じた。
じゃんけんで決まった順番に沿って最初はドットアーキテクツの家成俊勝氏の話。
イタリアの社会センターといってたとえば使われなくなった精神病院(バザリア法で隔離病棟をやめにした話も興味深かった)などを勝手に使って共同生活している人たちの話。それが結構うまくいってる感じで興味深い。↓この記事も関係のある話が出てくる。
なかなか日本では同じマネは難しくとも半歩踏み出してみることという話に惹かれるものを感じた。前に高橋源一郎のラジオできいたアナキズムの話のように。(アナキズムって何やらおそろしいなんて思っていたがこの放送↓をきいて、アナキズムいいな、私が求めていたのはソレだ、となっている。)
木村松本建築事務所のお二人は修学院の細い店舗兼住宅バヒュッテを建てられたことで有名
木村松本事務所はモダニズム建築の本野誠吾邸と北山杉の元木材置き場のような場所を今拠点にされているそうで
やはり町に開かれた建物、先につくりあげてしまうのでなく当意即妙、建築資材に捉われずありもので色々考える、そして使い手に沿う建築ということを考えておられるようだった。
梅小路公園のコンポストステーションの話は自分も家でコンポストを使っており、大変興味深かった。
doyoukyoto2050.city.kyoto.lg.jp
コンポストを通じて人がつながれる話よくわかる。手ごたえがあるから。
建築って哲学と関わりがあるんだなと二組の話で感じた。
質問コーナーも活発で、インタラクティブなのも良かった。
建築学科のかわいい関西弁の大学三年生が「自分の建築観は古い」と同級生にいわれ、木村松本事務所もドットアーキテクツもとてもかっこいい構造物をつくっているが、理念と大衆に受け入れられるものの折り合いをどうつけるのかと質問していたのが面白かった。二組とも、「目の前のクライアントを大衆と思う時点で・・」というようなニュアンス。目の前をみつめて何が必要とされているかよく考えて仕事していればおのずとその答は出てくるはずというようなことをおっしゃっていた。合点。
こども入場可というのも気持ちの良い会だったな。