カリフォルニア

 

 fiorentinaxさんのブログでのご紹介を読んでVHSにて鑑賞。

殺人事件の現場を取材旅行しつつカリフォルニアを目指す都会派の若いカップルが、交通費を浮かすために同乗者を募ったところ、ブラッド・ピット扮する本物の殺人犯とジュリエット・ルイス扮するその彼女を乗せることになり・・というストーリー。

都会派の二人が最初ちょっと気取ってる感じもあり、ブラピたちの現実はこうだ、と言わんばかりの有様に妙な心地よさ、また何が起きるやらというサスペンスフルな気持ちを掻き立てられながら話が進む。ジュリエット・ルイス扮する女性は、「道」のジュリエッタ・マシーナ的な無垢な女神であり、ブラピとギリギリの生活なんだけどささやかな幸福をおぼえ舌足らずに一生懸命しゃべったりしている様子におぼつかなさと愛おしさが溢れ素晴らしい。ブラピの凶悪な状況を知りもせず作家の男がしょったようなモノローグをいれていくのも変なおかしさがあったりしながら話は進む。

序盤ブラピの犯罪は目的のための短絡的な、という感じなのだけど、だんだんにエスカレートしていくのは、同乗者の研究との相互作用か・・終盤犠牲者が核に関する研究をしていたり、核実験のために人が入れない荒涼としたエリアが映されたり、スパイスも埋め込まれている感じで、退屈させないストーリー。ブラピが彼女のことを「ママ」と呼び続けるのとかはいかにも深層心理的な匂わせがあってちょっとあざといかもだけど、「道」っぽくもあり、とにかく退屈させないで観させ続けた。

1993年ドミニク・セナ監督の長編第一作め。「ソード・フィッシュ」の監督だ。