国立文楽劇場開場三十五周年記念 夏休み文楽特別公演

第1部 【親子劇場】 午前11時開演
日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
 渡し場の段

解説 文楽ってなあに?


小佐田定雄=作
鶴澤清介=作曲
桐竹勘十郎=演出
望月太明藏=作調
かみなり太鼓(かみなりだいこ)

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かみなり太鼓の幕。開演前からワクワク感。


第2部 【名作劇場】 午後2時開演
通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
     (五段目より七段目まで)
 五段目 山崎街道出合いの段
       二つ玉の段
 六段目 身売りの段
  早野勘平腹切の段
 七段目 祇園一力茶屋の段



第3部 【サマーレイトショー】 午後6時30分開演
国言詢音頭(くにことばくどきおんど)
 大川の段
 五人伐の段

 

夏の公演は第一部に毎年こども向けのだしもの&体験があるのだけど、こどもたちが体験に積極的だったり、文楽にウケているのをみたりするととても幸せな気持ちになる。「日高川入相花王」は、「娘道成寺」のおはなしで、こどもにふさわしくないのでは?という声もどこかでチラっと見たけれど私は良いと思う。内容まで教育的である必要はない、ケレン味のある面白い古典、こういうのもまぜておくのがいいと思う。

前日人形浄瑠璃文楽太夫豊竹咲太夫さんが人間国宝に認定されるニュースあり。切場語りという重い役目を一人で担っておられるのにもかかわらず、観客の体感では認定がずいぶんゆっくりで、不思議に思っていた方も多そう。

太夫さんの出番で「おめでとう」の声がかかったり、第一部「かみなり太鼓」で、最後、主人公宙乗りからのプレゼントをあたたかく近くの子どもに譲っておられる大人の観客の姿をみて、大阪の情を感じ、熱くなる。「かみなり太鼓」は幕も特注。こども向けの気合いが随所に入っていてとても好もしい。

第2部「忠臣蔵」、今回は、忠臣への批判みたいなものを感じた。大石の遊び人時代は勘十郎さんがぴったりだ。

  第3部の「国言詢音頭」は、乾いたスプラッターみたいなモダンな味わい。三味線も異色な音色で、なんだか映画「ラルジャン*1みたいな、不条理でなぜかにやっとしたくなるような不思議なあとくち。