ヒポクラテスたち

 

ヒポクラテスたち [DVD]

ヒポクラテスたち [DVD]

 

この映画は80年代に東京で大学生だったときにみて、好印象だったけれど、京都に帰ってきて五十代になった今みてもっと好きになった。大学生のときは近すぎたけど今みると医学部に進学した友人の息子さんのはなしなどもまぜあわさって、俯瞰で味わえるというか、ほんとに医学部にまつわるいろんな視点、そこで学ぶ若者それぞれの姿をうまく混ぜ合わせてあって、たのしめ、かつ、心にささり、それでいて懐かしいあたたかみのある名作だ。

主役の古尾谷雅人が丸顔を残したような瑞々しさ。ほんとに惜しい人を亡くした。

内藤剛志がロン毛で出てくる。柄本明は、長男佑氏とそっくりの雰囲気があり楽しめる。

喫茶リバーバンクで撮ったシーンや、80年頃の京都の街角の風景が懐かしい。百万遍の近くの橘井寮が使われているのも嬉しい。(橘井寮の風景、こちらに載っている。)

また、鈴木清順手塚治虫原田芳雄の出演場面もおっと思うし、清順監督の役名が「けんかえれじい」南部麒六になっているところ、「けんかえれじい」のバンカラは寮でのやりとりにも受け継がれていて、そこも何かぐっときた。清順氏の役柄は同じ「オレンジロード急行」*1のアラカンさんの姿とも通じる。大森監督の柔らかくユーモアのある反骨みたいな表現好きだなあ。

大森監督のこちらの記事も楽しい。