わが街わが青春-石川さゆり水俣熱唱

 

わが街わが青春-石川さゆり水俣熱唱- [IF<INDEPENDENT FILMS > DVDシリーズ2 公害の原点・水俣から学ぶ]

わが街わが青春-石川さゆり水俣熱唱- [IF DVDシリーズ2 公害の原点・水俣から学ぶ]

 

みたのはvhs版

水俣病関連の土本監督のドキュメンタリーのシリーズに石川さゆりの名前があってはじめみたときは、どういうことなのかなと思っていたら、青春を迎えた胎児性患者の人たち(「水俣・若い患者の会」の方々)が何か自分たちでやってみようということで熊本出身の石川さゆりのコンサートを開催したことを記録した映像だった。患者さんたちの自分もできることを何かしたいという思いは、私も脳出血で身体不自由になり長い闘病生活を送った母を通してリアルにわかる。施設にいるお年寄りの患者さんにぜひみせてあげたいという若い患者さんたちの気持ちも、病を得ているからもっとお年寄りに寄り添えるのだなあと、こちらも自分の拙い経験から感じられる。しかし、この映画の良いところは、よく安手のテレビ番組や映画にあるようなここで泣きましょうみたいな変な効果音で観客の情緒をコントロールするのでなく、事実を淡々と伝えているところ。土本監督の仕事なのだから当たり前なのだろうが、さすがそこが一流と感じた。

はたちの石川さゆりの姿も素晴らしく、これから石川さゆりをみる視線が変わりそうだ。そして、石原慎太郎環境庁長官として水俣を訪問し、このコンサートに道筋をつけた話もまじえられ、ともすると石原慎太郎的なひとのことを一色の色で考えがちだった自分の気持ちにも新たな視点を与えられた。(検索すると石原慎太郎水俣の人への暴言→謝罪などもすぐ出てくるので評価はなかなか難しいのだけど、先日NHKで放映された「ザ・ベストテレビ」でも、本年度のギャラクシー賞を受賞した「教育と愛国」を放映後、とりあえずどんな相手でもインタビューして生の声をひろうことの重要性の話がでてきて、はっとさせられたし、はじめに評価ありきでなく本体にあたってみることの重要性というものも感じる昨今である。)