山の焚火

「ハイジ」のおんじのような、あるいは、「北の国から」の五郎のような父に導かれての親子四人の暮らし。姉は山の下で教師になることをあきらめ、耳の障害と発達の方も遅れを感じられる弟の教育係として暮らしている。いびつな形で整っているような暮らしの均衡が弟が思春期を迎えたことで新しい局面に。弟の生き方はある意味動物のよう。それゆえの強さも持ち合わせている。姉は家族のバランスをとる存在でありながら、そのことにどこかで反撥を感じているところもあり、それでいて、良識が自分にハードルを設けてしまうようなところがある。また男性と女性の違い、どんづまり受け入れるしかないという生き方を最終的には選んだりする女性となんとかして現状をかえようともがく男性、家族という一番小さな単位の社会が個人を守りつつも侵食する・・さまざまな対比が面白く、山の上の美しい暮しのもと、息を詰めて見入らせるものがある。


山の焚火 [DVD]

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