恋人たちは濡れた

 

恋人たちは濡れた [DVD]

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神代監督の作品ってダウナー系のものとめちゃくちゃに突き進むパワフルなものがあるもように感じる。これや「櫛の火」*1はダウナー系。「青春の蹉跌」*2もどちらかというと仲間みたいに思われる。男の主人公ものにこの手の果てしなくさまよってちょっと陰鬱なものが多いような・・「アフリカの光」*3なども田中邦衛萩原健一のコンビの暮らしぶりはおもしろかったが、どんづまり感はあった。それに比してストリップ小屋の女が主人公の「濡れた欲情」*4のシリーズのようなものはパワフルだ。この映画でも中川梨絵氏はとても魅力的だった。とにかくエロいものを撮るというより彷徨する魂を撮る一連の作品というのがあると思う、神代監督は。「赫い髪の女」なども石橋蓮司の魂はさまよってたなあ。「黒薔薇昇天」*5では、悩みつつふっきれた岸田森さんがとてもいい味を出していた。

音楽のつかいかた、しょっぱなのお経みたいな感じとか、途中クラシック、そして御詠歌というのだろうかそういうのを使うところなどは今回も冴えているなと感じた。