曽根崎心中

1981年栗崎碧監督作品。宮川一夫撮影。舞台でなく屋外での撮影。
タイトルロールに下鴨神社の名前。

まず冒頭の浄瑠璃と三味線からして、なにかロックを感じさせるような孤独を内包した深み。
そして、撮影のすばらしさ。演じ手の多くは今は亡き偉大なる昭和の文楽の担い手。だからこそ、とてもなめらかで、大まかな筋を知っていれば、浄瑠璃の言葉に慣れなくても、幻想的な海外アニメーションを愉しむような感覚でたのしめる。そして有名なくだりでは、その言葉づかいを味わえる。

大阪市立科学館で「曽根崎心中」の時の夜空を取り上げられたという記事、以前に読んで感心していたのだけど、音をつかわれたのがこの映画からだということを改めて知り、なんと素晴らしい取り組みと思っている。

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