ポトスライムの舟

書評家の藤田香織さんのおすすめだったのと、二編はいっている物語のうち「ポトスライムの舟」の主人公の三つ掛け持ちしている職業のうち一つは自分と同じらしいということを知り、読んでみる。
「ポトスライム〜」の主人公は正規雇用の仕事がやっていけなくなって、非正規雇用の積み重ねをしているのだけど、もう一編の「十二月の窓辺」の方はちょうどその正規雇用の仕事の話で、主人公の名前は違うもののどこかつながった物語のようにもみえる。吉本ばなな氏の話として、「つらい話をちゃんと書かなければそこからの癒しはない」といったようなことをきいたことがあるけれど、「十二月の窓辺」の方はその患部の描写にリアリティがあってどうにかならないのかと途中苦しくなるほどだった。でもそれがあってこその物語だと思うのでこれでいいんだけど・・
「ポトスライム〜」の方は奈良が舞台で、情景がすごく目に浮かぶ感じ。

ポトスライムの舟

ポトスライムの舟