みたのはいずれもVHS版
瀬々敬久監督の映画を二本。いずれも犯罪にまつわる話だけど、特別の人間のやらかすことという視点でなく傷を感じながら同じ平面に生きている人間の息苦しさの末にふと向こう側にいく感じ。刑事ものではないので、事件解決が目的でなく被害側にいる人間も加害側の人間も同じように抱えているどんよりモヤモヤしたそれぞれの日常、向こう側に行くことの非特別感を描いている。話の展開はシャープで退屈することなくひきこまれる。
みたのはいずれもVHS版
瀬々敬久監督の映画を二本。いずれも犯罪にまつわる話だけど、特別の人間のやらかすことという視点でなく傷を感じながら同じ平面に生きている人間の息苦しさの末にふと向こう側にいく感じ。刑事ものではないので、事件解決が目的でなく被害側にいる人間も加害側の人間も同じように抱えているどんよりモヤモヤしたそれぞれの日常、向こう側に行くことの非特別感を描いている。話の展開はシャープで退屈することなくひきこまれる。
前にちらっと文楽人形が映っていたのをみて気になり改めてちゃんと鑑賞。吉田簑助さんが遣っておられたんだ。。富田靖子さんの表情がとても良くてお七の人形振りがでてくるのも嬉しく。 高島政伸氏も同級生役で登場。富田さんのおばさん役、神楽坂の大楠道代さんがとてもすばらしい佇まい。80年代の東京が封じ込められていて、みんな途上な感じが原由子さんの「あじさいのうた」と共鳴しとても心が動く。エンドロールの富田さんのスチール写真美しかった。脚本内館牧子氏というのは知らなくて意外だったけれど、お相撲の役員もされてる内館さん、伝統芸能にもお詳しいのかなと思った。
みたのはvhs版。
是枝監督の映画は好きで割合みているのだけど、カンヌのパルムドールを取った作品ということでちょっと観る前に身構えてしまった。けれど、いつもの入り込みやすいタッチだった。しょっぱな万引きのシーンだし、万引きGメン系の映像の文脈でいうとつかまえるべき存在という感じからのスタートなのだけど、心の揺れの描き方がすごく自然で、登場人物の背負っている傷がくっきりわかり、優等生的な解決ではない生き方もあるさ、でもその中に尊さもあるさという気持ちになる。男の子の力を秘めた目の魅力、「誰も知らない」の柳楽優弥を彷彿とさせるものがある。雑貨屋のおじさんを演じる柄本明の引き算を感じさせる演技も良かった。
是枝監督の集大成といわれていたが、(そんないいかたをしたら終わりみたいでもう一つだけど)、確かに「誰も知らない」や「そして父になる」*1「三度目の殺人」*2などとつながっている感じがとてもした。
ドキュメンタリー風という形をとってあくまでも笑顔でそ知らぬふりを装いながらイランの自由のない現状をしっかりと伝えてくれる作品。ドキュメンタリー風だけど、そもそも映画って伝えたいことを伝えるためのものであって、ドキュメンタリーと創ったお話の垣根とか厳密に考えるのってどうなんだ?というようなキアロスタミ監督からの流れも感じた。
外の文化(この映画にでてきた例だとウディ・アレン監督作品のようなもの、あとフルネームで出てこなかったけれどキム・ギドク監督の名前も出ていたように思う)に触れようと思ったら闇ルートでソフトを手にいれなきゃならない状態は「ペルセポリス」*1でも出てきていたが、事態はよくなっていないようだ。自由を求める心を象徴するような赤いバラの映像が心にささる。