病院で死ぬということ

病院で死ぬということ [VHS]

病院で死ぬということ [VHS]

公開当時(93年)、病院でこのポスターを見ていた。原作はホスピスブームの先駆けともなった大ベストセラーということ。ビデオジャケットによるとガン告知に焦点を当て、人間の尊厳とは何かを問いかけるとあり、その通りなんだけど、最近自分が聞いたガン医療とは少し違うように思った。この中ではガンになったことを患者に伏せる方向が多いように見受けられたが、最近は患者さんの心づもりのため割合きっちり告げているような気配を感じている。医療がそれだけ進歩したということもあるのだろうな。
市川準監督らしく、色々なところで生活している人々の点描を丁寧に描き、病気になったとたんもしかしたら特に医療関係者からは病ばかりに視点が集中してしまい患者として存在してしまうような錯覚があるかもしれないけれど、それは付随的なことなんだよ、そういうのを考えていくのがホスピスなんだよと訴えているように思われた。