セルジオ・コルブッチ 1968年
「ミスター・ノーボディ」*1でテレンス・ヒルの向日性に惹かれ彼目当でコルブッチ監督の「笑激のギャンブルマン」*2を鑑賞したら、なかなか微笑ましい良い後味でコルブッチ監督の代表作ときいたこちらも観てみる。
主人公の口のきけない(そこにはこの物語を支える理由あり)ガンマン ジャン=ルイ・トランティニャンの素晴らしいこと。トランティニャン、「Z」*3でも専制政治下で黙々と素晴らしい仕事をする男を地味なのにとてもかっこよく演じたがこちらも同じように素晴らしく、世も末感漂う中容赦なしの「賞金稼ぎ」の連中を始末していく(またそれが殺すのでなく二度と引き金を引けなくするという成敗の仕方で麗しく)姿の魅力的なこと。セリフ無しの表情の演技が素晴らしい。
宿敵演じるはクラウス・キンスキー。基本的には野卑だけど妙に親しみすいところもあり、生き抜くことに長けている男。なんという好対照。
マカロニ・ウェスタン、ほぼ観たことなかったのだが、これがマカロニの詩情かと勝手に感得。とても良かった。