愛なのに

 

小津リメイク*1の出来をみて、名前だけきいていた城定監督作品を。

恋愛感情と性的な関係は別で、だからといって割り切っているわけではなくとても細やかで・・その時代の普通の感覚を上手に描いていたロメール監督的な感じもあった。

猫のよりつくような居心地のよさそうな古本屋業の瀬戸康史、一見浮世離れし流されているように見受けられるが、意外と自分で考えて自分の意見をちゃんと述べる。その姿に好感。

自分は年齢的なことか、元からの嗜好か古本屋に来る年配の常連客を演じる飯島大介という人に惹かれてしまった。悪魔的でもあり救世主的でもあるウェディングプランナー熊本さん(演じるは向祐里香)の造形も大層面白かったな。結婚寸前に浮気している男(中島歩)の言い訳と表情も。

脚本は今泉力哉氏か・・確かに「愛がなんだ」*2と空気が似ている。旧来の型通りの人間関係じゃないところが。