愛がなんだ、東京公園

2010年代の映画を二本観た。(自分の中では「最近の邦画」の分類。)

2011年の「東京公園」と 2019年「愛がなんだ」。

「東京公園」の方は三浦春馬氏の出演作品ということですすめられて。青山真治監督作品ははじめてかも。青山監督、ずいぶん前に金井美恵子の本(確か「夜になっても遊び続けろ」)で応援されていたような記憶があり、どれか観てみたいと思って幾星霜。「EUREIKA」とか違うものから入っても良かったかな・・三浦氏はいいのだが、恋人に先立たれた榮倉奈々氏や、小西真奈氏演じる三浦氏の義理の姉やらのもやもやした感情につきあうのが少ししんどかった。榮倉氏はすごい映画ファンという設定で、「ゾンゲリア」やら長谷川伸の名前が同列で出てくるところなどは微笑ましいのだが、空元気な台詞などきいているのがしんどくなった。

先立ってしまった染谷将太氏の演技や、カメラで自分を表現している三浦氏に奇妙な依頼をする高橋洋氏には好感を持った。そこらへんが大活躍のしょっぱなはよい感じだったのだけど、後半登場人物が気持ちを台詞で全部表現しているようなところも気になった。

しかしながらこの作品第64回ロカルノ国際映画祭で金豹賞審査員特別賞を受賞しているということだ。相性の問題かな・・

東京公園

東京公園

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

「愛がなんだ」、こちらは今とても注目されている今泉力哉監督作品。現代版「浮雲」のような、「理性」で判断したらやめとこうといいたくなるような腐れ縁的な状況を描いた物語だが、全体にものすごい新しさを感じた。尽くしてしまう女の話に男女逆転させた状況が絡ませてあり、また主人公の女も、ことその男性に関することだと盲目的だけど、他の行動は割合淡々と真面目であり、こちらはしょうがないなと思いながら見守る感じ。主人公の行動を冷淡なまでにドライに描くところは角田光代原作だなと思わされもした。

主人公の恋愛に対比させて描かれている男女逆転パターン(男が尽くす方)を演じている若葉竜也氏、玉三郎に似ているなと思いながら観ていたが、大衆演劇出身で「チビタマ三兄弟」と呼ばれていたそう。

ネットで最後まで観ないで酷評している人もみかけたが、最後まで観てこそのお楽しみがあるのになあ・・

江口のりこ氏が面白い味。美術専門学校の事務という感じがとてもする。

こんな男にいつまで尽くすんだという男を演じていたのが成田凌氏。朝ドラ「おちょやん」で浪花千栄子モデルの主人公を困らせる最低な夫を演じていたところだった。表情での表現などうまい。

若葉氏に尽くされている女を演じていたのが深川麻衣氏。「日本ボロ宿紀行」が初主演ドラマだったとか・・元気なマネージャーを演じていたあのドラマと印象が全然違う。彼女の母を演じていたのが筒井真理子氏。「よこがお」*1での印象があり、もう人生のビッグイベントからは引退したかのような20代のひとのお母さん役か!と驚いてしまった。

aigananda.com

愛がなんだ

愛がなんだ

  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: Prime Video